世界のロボティクス市場は2025年に870億ドルへ~BCG調査

消費者向けロボティクス市場の急拡大により、3年前の市場規模予測670億ドルを上方修正

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(本資料は、2017年6月21日に米国で発表されたプレスリリースの抄訳です)

ボストン発、2017年6月21日 ―― 経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)は、世界のロボティクス市場に関する調査レポート「Gaining Robotics Advantage」を発表しました。BCGは2014年に世界のロボティクス市場の市場規模を推計していましたが、昨今のロボティクス市場が拡大している状況をふまえ推計し直したところ、2014年時点のBCGの予測よりも市場規模が拡大していることがわかりました。

2025年の消費者向けロボティクス市場は230億ドルへ

2014年に670億ドルと試算した2025年の世界のロボティクス市場の市場規模を、最近のロボティクス市場のトレンドを考慮して推計し直し、870億ドルに上方修正しました(図表1)。予測修正の主な要因は消費者向けロボティクス市場の急拡大にあります。2014年時点では90億ドルと推計した消費者向けロボティクスの2025年の市場規模ですが、今回、230億ドルへと大幅に予測を修正しました。これは、世界のロボティクス市場870億ドルの約4分の1を占めます。本レポートの共著者であるバラッド・ルーキックは「自動運転車や、自動掃除機等の家庭向けデバイスの普及が、消費者向けロボティクス市場拡大の主な要因です。」とコメントしています。

図表1

図表1:世界のロボティクス市場の市場規模予測

消費者向けロボティクス市場拡大の背景には、複数の要因があると考えられます。まず、ロボティクス市場への民間投資が急拡大しており、2014年から2015年にかけて3倍に増えたことが、BCGの調査でわかりました。また、2016年には、消費者向けのアプリケーションへの注目が急速に高まり、この領域でのロボティクス関連企業の数も急増しています。2012年以降、新しくできたロボティクス関連企業のうち、消費者向けロボティクスに関連する企業が4割を占めることがBCGの調査でわかりました(図表2)。

図表2

図表2:2012年以降設立されたロボティクス関連企業の内訳

ロボティクス市場が拡大している状況をふまえ、本レポートの共著者であるメル・ウルフギャングは「ビジネスにおけるロボット活用は、もはや将来への投資ではなく、戦略的意思決定を左右するものになっています。ロボット活用を検討する際には、人材配置、製品ラインナップ、生産拠点等のビジネスモデルを考え直す必要があります。最も効率的な労働者とロボットの労働力の組み合わせを特定し、これまでと全く異なるビジネスモデルを構築することによって、ロボットを競争優位の源泉とする必要があります。」とコメントしています。本レポートでは、企業がロボットを戦略的に活用する際に必要なフレームワークについても提示しています。

■調査レポート

Gaining Robotics Advantage

■参考資料

2014年の調査レポート「The Rise of Robotics

■日本における担当者

東海林 一 シニア・パートナー&マネージング・ディレクター

BCGハイテク・メディア・通信 グループのアジア・パシフィック地区リーダー 
一橋大学経済学部卒業。ロチェスター大学経営学修士(MBA with Honor)。 株式会社日本興業銀行を経て現在に至る。監訳に「組織が動くシンプルな6つの原則」(ダイヤモンド社)。

■ 本件に関するお問い合わせ 
ボストン コンサルティング グループ マーケティング 伊原・嶋津 
Tel: 03-5211-0600 / Fax: 03-5211-0333 / Mail: press.relations@bcg.com

ボストン コンサルティング グループ(BCG)

BCGは、ビジネスや社会のリーダーとともに戦略課題の解決や成長機会の実現に取り組んでいます。BCGは1963年に戦略コンサルティングのパイオニアとして創設されました。今日私たちは、クライアントとの緊密な協働を通じてすべてのステークホルダーに利益をもたらすことをめざす変革アプローチにより、組織力の向上、持続的な競争優位性構築、社会への貢献を後押ししています。

BCGのグローバルで多様性に富むチームは、産業や経営トピックに関する深い専門知識と、現状を問い直し企業変革を促進するためのさまざまな洞察を基にクライアントを支援しています。最先端のマネジメントコンサルティング、テクノロジーとデザイン、デジタルベンチャーなどの機能によりソリューションを提供します。経営トップから現場に至るまで、BCGならではの協働を通じ、組織に大きなインパクトを生み出すとともにより良き社会をつくるお手伝いをしています。

日本では、1966年に世界第2の拠点として東京に、2003年に名古屋、2020年に大阪、京都、2022年には福岡にオフィスを設立しました。