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コモディティ・トレーディング/リスクマネジメント

市場が従来型のB2B(企業間取引)の構造から、オープンに取引され競争が激しいコモディティ市場へと移行するなかで、コモディティに携わる多くの企業が事業に大きな影響を受けています。結果として価格の透明性と商品の入手可能性が高まったことにより、売り手側、買い手側双方において競争がさらに激化しています。取引マージンは縮小し、裁定取引の機会が損なわれ始めていますが、機会が完全に消失したわけではありません。

このような現象は、エネルギー、石油、石炭、金属・鉱産物、農産物のすべてのコモディティ市場で見られます。市況が優勢なところに積極的にターゲットを定め、そこから価値を引き出すことにより、コモディティ化した成熟市場においてさえ取引で成功をおさめることは可能です。プレーヤーは、取引市場への移行の波に乗る、アセットとロジスティクスのポートフォリオを活用する、デジタル・トレーディングのような新しいテクノロジーやアプローチを導入する、など、自社の競争優位性をどう活かすかを理解する必要があります。

ビジネスモデルの変革によりコモディティ化の波に乗る

コモディティ化による課題に対する迅速かつ直感的アプローチとして、コストベース優位性の獲得、提供商品の特徴やバリュー・プロポジションの変更による再差別化などがあります。そうした施策は、短期的な生き残り策には有効ですが、たいてい長期的サバイバルには役立ちません。

企業は持続可能な取引アプローチを開発するために、市場の機会とボラティリティを体系的に活用する必要があります。たとえば生産企業であれば、従来のマーケティング・供給モデル(製品の市場価格と生産コストの差から、いわゆる本質的価値を引き出す)を、商業的アービトレイジャー・モデル(価格シグナルのズレや不完全性から、いわゆるオプション価値を引き出す)で増補する必要があります。

コモディティ化の次の波をマスターする: デジタル化と過剰流動性

すでに主要な価値創出法として取引市場に関わるバリューチェーン全体をマネジメントし、取引モデルを追求している企業でさえ、じっとしているわけにはいきません。さらなるコモディティ化に向けた市場の動きは続いているからです。現在、その動きの推進要因となっているのが、コモディティのバリューチェーン全体のデジタル化の進行と、時に驚異的な流動性の上昇です。

コモディティ化の次の波は、取引市場で成功してきたプレーヤーに深刻なリスクをもたらします。そこには、主に3つの要因があります。

  • 価格データの報告・流通を含む、情報の透明性と入手しやすさの向上
  • 取引方法などにおける標準化の度合いの上昇
  • 高度なデジタルインフラの出現

これらのトレンドは、コモディティのトレーダーたちが長年依存してきた取引市場の機会と非効率性を低減させています。過去のオペレーションモデルから脱却すべき時が来ているのです。

今日に適したオペレーション・プラットフォーム

エネルギーおよびコモディティ市場の劇的変化に合わせ、企業組織とオペレーション・プラットフォームも変えていく必要があります。コモディティのトレーディングが行われる市場でうまく取引を行い、コモディティ取引のバリューチェーン全体を最適化するためには、アジャイルでスケーラブルなオペレーションモデル、起業家精神に富みリスクを受け入れる組織カルチャー、そして多くの企業にとって馴染みのないスキルが求められます。

実際、より活発にトレーディングを行う​コマーシャルモデルを採用し、進行中のコモディティ取引のデジタル化を活用するうえで最も困難なことは、全体的な変革が必要になるということです。多くの企業は、組織全体で必要とされる変革の規模と、競争力があるオペレーション・プラットフォーム構築の難しさを過小評価しています。

成功をもたらす変革には、以下のような要素が含まれます。

  • 真の市場機会を探知し、それがどう進化するかを予測する能力を含む、市場についての優れた知識・理解
  • 短期的な市場機会を活用する俊敏性
  • 取引マージンを最適化するための、エンド・ツー・エンドの透明性、および、統合されたバリューチェーン全体を把握する力
  • 競争力のあるITおよびデジタルインフラ
  • 意思決定者が手にした自由を誤用せず設定値の範囲から外れないようにするための、取引オペレーションに対する厳格なコントロール、および強力なリスクマネジメント能力
  • 資源アセットから成る広域にわたる多様な市場プレゼンス、加えて、自社アセットの範囲外のコモディティへのアクセスを可能にするサードパーティーとの契約

さらに、すでにコマーシャルマーケティング・供給モデルを有する企業は、従来のアプローチと前述したトレーディング・アプローチを融合させる必要があります。そうすることで、売買の舵取りとガバナンス、パフォーマンスとインセンティブのマネジメント、めざすべき行動とカルチャーに関する一貫性のあるコンセプトを構築できます。


コモディティ・トレーディング、リスクマネジメント分野のBCGエキスパート

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従来型の大手企業は、どのように競争したいのか、立ち上げられる小さなデジタルプロジェクトは何か、を考え、最も効果があるプロジェクトを迅速に拡大展開することで、自社の領域に進出してきた新しいデジタル・プレイヤーに対抗できる可能性があります。BCGのAntti Beltが解説します。

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BCGのEric Boudierが、コモディティ・トレーディングとリスクマネジメントの重要性について語ります。

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