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資本市場関連エコシステム全体の2017年の収益規模は世界で6,710億ドル、うち投資銀行セクターが2,200億ドル~BCG調査

資本市場関連エコシステムの収益規模は2016年比7%増、投資銀行セクターは同3%減

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(本資料は、2018年5月15日に米国で発表されたプレスリリースの抄訳です)

ニューヨーク発、2018年5月15日 ―― 経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)は、資本市場関連・投資銀行(Capital Markets and Investment Banking)業務に関するグローバル調査レポート「Global Capital Markets 2018: Embracing the Digital Migration (グローバル・キャピタルマーケッツ・レポート2018) 」を発表しました。BCGは2012年からこの調査の発表を開始し、今回が7回目となります。

資本市場関連エコシステムの収益のうち、投資銀行セクターの占める割合は2006年の48%から、2017年は33%に低下

2017年の資本市場関連エコシステム(投資銀行のほか、証券管理サービス/カストディアン、資産運用機関、情報プロバイダー、証券取引所関連などを含む)全体の収益は、市場の好況を追い風に2016年から7%増加し、6,710億ドルとなったと推計されます(図表1)。

しかし、そのうち投資銀行セクター(M&Aアドバイザリー、有価証券発行や有価証券等の売買などの業務)の収益は2,200億ドルと、2016年から3%減少し、5年連続で縮小したと見込まれます(図表2)。エコシステム全体の収益に投資銀行セクターが占める割合は2006年の48%から、2017年には33%まで低下したと推計されます。本レポートが指摘してきた、資本市場関連のバリューチェーンにおける価値の源泉のシフトはより鮮明になっています。

投資銀行業務の伝統的な強みは徐々に価値を失いつつある

本レポートは、この背景として、投資銀行がこれまで長く頼ってきた価値の源泉――資金調達・リスク仲介・企業や投資家等クライアントへの助言を適切に行うための、商品や市場についての卓越した専門知識・強靭なバランスシート・人材・優れたテクノロジーなど――が意味を失いつつあることをあげています。こうした強みは、クライアントとの深いリレーションや優れた経済性につながっていましたが、昨今の市場の変化によりその価値が薄れつつあります。投資銀行は、「顧客のニーズや嗜好はどう変化したのか」「自行のバリュープロポジション(価値提案)は変化するニーズに対応できているのか」「顧客は本当に自行とのリレーションに対価を支払いたいと思っているのか」という戦略的な問いを突き付けられています。

デジタルディスラプションはすでに始まっている

大きな収益機会が見込まれる領域で既存のビジネスモデルが停滞していれば、ディスラプションが起こる、つまり新たな技術を持ったプレーヤーが市場をつくり変える可能性が高まります。既存プレーヤーが規制やこれまで培ってきた顧客との深いリレーションなどの参入障壁を過信し、従来のビジネスモデルの根本的な変革を怠れば、音楽、ビデオ、テレビなどの業界と同様、革新的なプレーヤーが産業を席巻する可能性があります。

実際、フィンテック企業には近年活発に投資がなされており、BCGが2018年3月に発行した「Fintech in Capital Markets 2018: Boosting Productivity Through Technology Innovation」 によると、資本市場関連のフィンテック企業に対し、2016年には約12.0億ドル、2017年には約5.7億ドルの株式投資が行われています。本レポートでは、2007年~2008年の金融危機を契機に始まった価値の再配分のペースは、デジタルによるサービス・プロセス・ビジネスモデルの変革をうけて加速していると指摘しています。

本レポートの共著者であるBCGロンドン・オフィスのシニア・パートナー、フィリップ・モレルは、「既存の投資銀行の多くは、自行の資本市場におけるビジネスモデルを十分に深く、迅速に変革できているとは言えません。フィンテック企業と手を組んだり、新たな収益機会をさぐったりするなど、先進的な試みをしている銀行もありますがごく少数で、コストを削減する、競合からマーケットシェアを奪い規模を拡大するなど、旧来と同様のやり方に頼っている銀行がまだ大半です」とコメントしています。本レポートではまた、投資銀行が産業全体の低迷の真因を把握し、未来を切り開くための5つの必須要件について解説しています。

調査レポート
Global Capital Markets 2018: Embracing the Digital Migration

日本における担当者

佐々木 靖 シニア・パートナー&マネージング・ディレクター
BCG金融グループのアジア・パシフィック地区リーダー、BCG保険グループの日本リーダー。
慶應義塾大学経済学部卒業。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス修士(MSc)。INSEAD経営学修士(MBA)。株式会社日本興業銀行 (現みずほフィナンシャルグループ)を経て現在に至る。

山井 康浩 パートナー&マネージング・ディレクター
東京大学教養学部卒業。マサチューセッツ工科大学経営学修士(MBA)。日本銀行、米国系戦略コンサルティングファームを経て現在に至る。BCG金融グループ、保険グループのコアメンバー。

■ 本件に関するお問い合わせ

ボストン コンサルティング グループ マーケティング 直江・嶋津
Tel: 03-5211-0600 / Fax: 03-5211-0333 / Mail: press.relations@bcg.com

ボストン コンサルティング グループ(BCG)

BCGは、ビジネスや社会のリーダーとともに戦略課題の解決や成長機会の実現に取り組んでいます。BCGは1963年に戦略コンサルティングのパイオニアとして創設されました。今日私たちは、クライアントとの緊密な協働を通じてすべてのステークホルダーに利益をもたらすことをめざす変革アプローチにより、組織力の向上、持続的な競争優位性構築、社会への貢献を後押ししています。

BCGのグローバルで多様性に富むチームは、産業や経営トピックに関する深い専門知識と、現状を問い直し企業変革を促進するためのさまざまな洞察を基にクライアントを支援しています。最先端のマネジメントコンサルティング、テクノロジーとデザイン、デジタルベンチャーなどの機能によりソリューションを提供します。経営トップから現場に至るまで、BCGならではの協働を通じ、組織に大きなインパクトを生み出すとともにより良き社会をつくるお手伝いをしています。

日本では、1966年に世界第2の拠点として東京に、2003年に名古屋、2020年には大阪、京都にオフィスを設立しました。

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