Global Asset Management 2018: The Digital Metamorphosis

世界資産運用市場:2017年末の預り資産額は前年比12%増の79.2兆ドル~BCG調査

2009年以降最も高い増加率を記録。新たな資金の流入率は年初の預り資産の3.1%で、金融危機前の水準(4.0%)に近づく

印刷用PDFはこちら

(本資料は、2018年7月19日に米国で発表されたプレスリリースの抄訳です)

ニューヨーク発、2018年7月19日 ―― 経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)は、グローバルアセットマネジメント・レポートの2018年版「Global Asset Management 2018: The Digital Metamorphosis」を発表しました。


運用預り資産の増加率は2009年以降最も高い12%――新たな資産の流入率も拡大 2017年末の運用預り資産規模は、79.2兆ドルと推計されました。2016年末比12%の増加となり、2009年以降最大の増加率を記録しています。新たな資産の流入率も年初の預り資産に対し3.1%と、2016年の同1.5%から大きく拡大し、2008年の金融危機前、2003~2007年の平均4.0%に近づきました。こうした環境を追い風に、世界の運用会社の収入は9%、利益規模も13%と大きく拡大したと推計されます(図表1)。「運用会社は、この経営環境を利用して将来を見すえた組織能力の強化を図る必要があります。運用市場が拡大した要因は構造的なものではなく、好調な株式市場によるところが大きい。コスト削減へのプレッシャーや運用報酬の低下などのトレンドは続いており、株式市場の成長が一段落するとその影響が顕著に出てくるでしょう。2018年にはすでにその兆候が出始めています」レポート共著者で、BCGでアセットマネジメント分野のグローバル・リーダーを務めるニューヨーク・オフィスのパートナー、ルノー・ファージュはこうコメントしています。

アメリカが世界の運用市場をけん引、中国も高い成長率を維持 2017年には、運用預り資産の増加率が2016年比14%と先進国中最も高かったアメリカが世界の運用市場の成長のけん引役となりました。また、中国本土の運用預り資産は2016年比22%増の4.2兆ドルとなり、5年前の世界8位から、アメリカ、イギリス、日本に次ぐ世界4位の規模となったと推計されます。レポートの共著者で、BCG香港オフィスのパートナー、シン・シュウは「わたしたちは、中国における運用預り資産額は2025年までに現在の3倍となり、中国はアメリカに次ぐ世界第2の運用市場となると予想しています」とコメントしました。アメリカ以外の先進国における運用預り資産の増加率は、ヨーロッパが2016年比7%、日本とオーストラリアの合計では、同10%といずれも世界全体の増加率を下回る結果となりました(図表2)。

パッシブ型商品のシェアが拡大し、預り資産全体の20%を占める 
商品類型別では、従来型のアクティブコア型商品から、パッシブ型をはじめとするその他の類型の商品へのシフトが継続的に進んでいます。アクティブコア型商品のシェアが2003年の57%から2017年には33%へと縮小する一方で、パッシブ型商品のシェアは2003年の9%から2017年には20%まで拡大しています。しかし手数料率の低いパッシブ型商品の運用会社の収益への寄与は限定的で、預り資産におけるシェア20%に対し、収入ベースのシェアは6%にすぎません。今後は、パッシブ型商品の中でも「スマートベータ」と呼ばれる、時価総額や市場の値動きを表す指標以外の要素(銘柄の配当利回りやボラティリティー(変動率)、自己資本利益率(ROE)など)を基準とする商品が急速にシェアを拡大すると考えられます。

今回のレポートではまた、運用会社のTSR(トータル・シェアホルダー・リターン、株主総利回り)の分析や、運用会社はデジタル化への対応、アジャイルな働き方の導入などをどのように進めていくべきかについて考察しています。


調査レポート Global Asset Management 2018: The Digital Metamorphosis

BCGでは、主要国における市場調査と大手運用会社を対象にしたベンチマーキング調査を基に、資産運用市場と運用会社の動向についてまとめたレポートを毎年発行しています。16回目となる今回は、世界全体の預り資産の65%以上を占める大手運用会社165社のベンチマーク調査とグローバル市場調査を実施しました。調査の対象となった市場は、北米(アメリカ、カナダ)、ヨーロッパ(オーストリア、ベルギー、チェコ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ロシア、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、イギリス)、アジア(香港、インド、インドネシア、マレーシア、シンガポール、韓国、台湾、タイ)、中国本土、日本、オーストラリア(アジア・パシフィック地区の別掲)、中東・アフリカ(域内の大手ソブリンウェルスファンド、モロッコ、南アフリカ)、中南米(アルゼンチン、ブラジル、チリ、コロンビア、メキシコ)です。


日本における担当者

佐々木 靖  シニア・パートナー&マネージング・ディレクター
BCG金融グループのアジア・パシフィック地区リーダー、BCG保険グループの日本リーダー。
慶應義塾大学経済学部卒業。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス修士(MSc)。INSEAD経営学修士(MBA)。株式会社日本興業銀行 (現みずほフィナンシャルグループ)を経て現在に至る。 

山井康浩  パートナー&マネージング・ディレクター
東京大学教養学部卒業。マサチューセッツ工科大学経営学修士(MBA)。日本銀行、米国系戦略コンサルティングファームを経て現在に至る。
BCG金融グループ、保険グループのコアメンバー。


本件に関するお問い合わせ ボストン コンサルティング グループ マーケティング 直江・嶋津
Tel: 03-5211-0600 / Fax: 03-5211-0333 / Mail: press.relations@bcg.com

ボストン コンサルティング グループ(BCG)

BCGは、ビジネスや社会のリーダーとともに戦略課題の解決や成長機会の実現に取り組んでいます。BCGは1963年に戦略コンサルティングのパイオニアとして創設されました。今日私たちは、クライアントとの緊密な協働を通じてすべてのステークホルダーに利益をもたらすことをめざす変革アプローチにより、組織力の向上、持続的な競争優位性構築、社会への貢献を後押ししています。

BCGのグローバルで多様性に富むチームは、産業や経営トピックに関する深い専門知識と、現状を問い直し企業変革を促進するためのさまざまな洞察を基にクライアントを支援しています。最先端のマネジメントコンサルティング、テクノロジーとデザイン、デジタルベンチャーなどの機能によりソリューションを提供します。経営トップから現場に至るまで、BCGならではの協働を通じ、組織に大きなインパクトを生み出すとともにより良き社会をつくるお手伝いをしています。

日本では、1966年に世界第2の拠点として東京に、2003年に名古屋、2020年には大阪、京都にオフィスを設立しました。

Press Releases