The 2017 M&A report: The Technology Takeover

テクノロジー企業対象のM&A総額がドットコムバブル以来の高水準に。取引総額ベースで7,000億ドル以上と世界のM&A市場の約3割を占める~BCG調査

世界のM&A取引総額は約2.5兆ドルと、過去最高レベルとなった2015年と同水準

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(本資料は、2017年9月26日にドイツで発表されたプレスリリースの抄訳です)

ミュンヘン発、2017年9月26日 ―― 経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)は、2017年版M&Aレポート” The 2017 M&A Report - The Technology Takeover”を発表しました。2016年の世界のM&A市場は活況を呈し、取引総額は過去最高レベルとなった2015年と同水準となりました。増加傾向にあるテクノロジー企業対象のM&Aの取引総額は7,170億ドルに上り、2016年の全世界のM&A取引総額の約3割を占めました。テクノロジー企業のバリュエーションは高騰していますが、執筆チームは、高いバリュエーション水準はM&A市場全体の傾向であり、現段階では今後のテクノロジーバブルにつながる兆候とは言えないと考えています。

2016年のM&A取引総額は約2.5兆ドル。2015年に続き、1999年、2007年と並ぶ過去最高レベル

2016年のM&A取引は取引総額ベースで約2.5兆ドル、件数ベースで約26,000件となり、2015年からの高い水準を維持しました(図表1)。本レポートではM&A市場の活況が続いた主な要因として、以下の3点を挙げています。

図表1: 2016年のM&A取引総額は約2.5兆ドル

図表1: 2016年のM&A取引総額は約2.5兆ドル

全世界のM&A取引総額と案件数(1990~2016年)

1.テクノロジー企業対象のM&Aの増加:
テクノロジー企業対象のM&Aは増加傾向にあり、2000年のドットコムバブル以来最高の7,170億ドルとなりました(図表2)。2012年からの5年間で、年平均27%増加しています。

図表2:テクノロジー企業対象のM&A総額は、ドットコムバブル以来の高水準

図表2:テクノロジー企業対象のM&A総額は、ドットコムバブル以来の高水準

テクノロジー企業対象のM&A取引総額と案件数(1997~2016年)

2.引き続き活発なプライベートエクイティによる買収:
プライベートエクイティのファンド規模はここ数年、増加傾向にあり、2016年は5,350億ドルとなりました。手元資金は積み上がり、プライベートエクイティによるM&Aがここ数年増加を続けています。

3.中国企業による買収の急増:
2015年は96億ドルだった中国企業によるM&Aは、2016年には196億ドルと倍増しました。2016年の中国企業によるM&Aのうち、約3分の2は海外企業を対象とする案件でした。 

テクノロジー企業を対象とするM&A増加の最大の要因は、非テクノロジー企業による買収の増加

テクノロジー企業対象のM&Aのうち、非テクノロジー企業によるM&Aは、案件数ベースで全体の70%と、2012年と比較して9%ポイント増加しました。最新のデジタルトレンドに後れを取らないようデジタル関連の組織能力を向上させる、テクノロジーやデジタルに関連するスキルを取り込む、M&Aをテコにビジネスモデルイノベーションやデジタリゼーションを加速する、などの目的のため、ますます多くの非テクノロジー企業がテクノロジー企業の獲得に動いています。

 
テクノロジー企業のバリュエーション高騰は、現段階ではテクノロジーバブルの兆候とは考えにくい

ターゲットとなったテクノロジー企業のEV/売上マルチプルは、2013年の2.1倍から2016年は2.9倍と、約50%上昇しました。さらに、直近3年間のEV/EBITマルチプルの平均で見ても24倍と高水準であり、過去20年間の長期平均である20倍からかい離しています。しかし、非テクノロジー企業対象の案件においても同様にEV/EBITマルチプルは高水準であることから、評価額の上昇はM&A市場全体に見られる傾向だと言えます。テクノロジー企業のバリュエーション高騰は、今後のテクノロジーバブルにつながる兆候とは言えないと執筆チームは考えています。

 
本レポートの共著者、BCGケルン・オフィスのプリンシパル、ジョージ・カイエンブルグは「今日のテクノロジー企業対象のM&A市場は、2000年のドットコムバブルの頃とは異なります。理由の1つめは、現在、買収対象となっている企業は、企業としてのステージがより高く、高収益です。2つめに、買収する企業は、対象となるテクノロジーがもつ、自社のビジネスモデルへの破壊的な影響力をよりよく理解しています。その上で、外部から破壊されるのを待つのではなく、内部に取り込み、どうビジネスイノベーションを起こすべきかを考えています」とコメントしています。

 
■調査レポート

The 2017 M&A Report - The Technology Takeover

 
■日本における担当者 

加来 一郎

パートナー&マネージング・ディレクター
BCGプライベートエクイティおよびコーポレートディベロップメントグループの日本リーダー
慶應義塾大学経済学部卒業。住友商事株式会社、外資系コンサルティングファーム、PEファンドを経て現在に至る。

 

■ 本件に関するお問い合わせ

ボストン コンサルティング グループ マーケティング 直江・嶋津
Tel: 03-5211-0600 / Fax: 03-5211-0333 / Mail: press.relations@bcg.com

 

過去の調査レポート

2016年 プレスリリース / 調査レポート(英文)

2015年 調査レポート(英文)

2014年 プレスリリース / 調査レポート(英文)

ボストン コンサルティング グループ(BCG)

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日本では、1966年に世界第2の拠点として東京に、2003年に名古屋、2020年には大阪、京都にオフィスを設立しました。

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