BCG、東京大学医学部附属病院の経営改善を支援

委託業務の見直し、および管理手法の構築を支援。既存委託費の約6%に相当する収益改善機会を特定し、新入院棟稼働による委託費増加をほぼゼロに抑制。

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経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)は、東京大学医学部附属病院(以下、東大病院)の新しい入院棟稼働に伴う委託費の増加抑制を目的とした、委託業務の見直し、および管理手法の構築を支援しました。既存委託契約の仕様書の解析、BCGが様々な病院の支援を通じ構築してきた委託経費のベンチマークデータの活用、関係者との議論と協力体制構築などにより、委託業務を委託量と単価の両面から精査しました。その結果、当初、数億円にのぼると予想されていた新入院棟稼働に伴う委託費増加をほぼゼロに抑えることができました。また、既存の委託契約においても、看護部・メディカルスタッフ・事務部との協力により大胆な改革が実行でき、委託費の約6%分の効率化余地を特定、現在、効率化の実現に取り組んでいます。今後の効率化継続のために管理ダッシュボードの構築もひき続き支援しています。

新しい入院棟の稼働開始、高い委託費比率と医業収益の伸びを上回る委託費の増加スピード、人手不足による委託業務の水準維持への懸念を背景に、プロジェクトがスタート

東大病院では、平成30年1月の新入院棟稼働開始により、業務の委託対象となる床面積の大幅な増加が見込まれていました。また、同病院の分析によれば、法人化以前からの人員削減の結果、委託費比率が他の民間病院よりも高いうえに、近年の人手不足により過去5年間、委託費が医業収益の伸び以上に増加していました。さらに今後は従来と同等の金額で委託業務の水準を維持することが難しくなる可能性が懸念されています。このような背景のもと、喫緊の課題である委託業務の効率化を実現すべく本プロジェクトが実施されました。

現場での徹底的な情報収集とBCGベンチマークデータの活用により、効率化余地を特定。対応策の業務仕様書への反映に加え、管理指標の設計・管理ダッシュボードの構築により、継続的な効率化を支援

高度急性期医療を担う病院の間で委託費を比較分析するには、比較対象となる同等規模の他病院の契約実績と仕様内容に精通しなければならないという大きな課題があります。BCGが豊富な実績を通じて構築してきたベンチマークデータを用いることでこの課題を乗り越え、他院の水準と比較することが可能になりました。加えて、院内関係部署、委託業者との議論や現地調査により、業務実態を細部まで把握しました。これらを通じて、委託すべき業務量と委託料の適正水準を定義しました。これにより、業務単価が他院に比べて高く設定されているわけではなく、委託職員と病院職員の役割分担の見直し等により適正削減が可能な項目が多いことがわかりました。さらに、警備や清掃などについても実質的なリスクやサービスの質という観点で実施方法を詳細に再検討しました。その結果、委託業務量を大胆に削減する提案も行い、その一部は職員の協力のもとすでに実現されています。全体として既存委託費の約6%に相当する業務の削減余地を特定し、現在もひき続き施策の業務仕様書への反映や、各契約の変更・更改手続きの準備など、効率化の実現に取り組んでいます。

また、今回の取り組みを一過性で終わらせないために、委託業務量と委託料が適正水準かを測定し、効率化の糸口を把握できるよう、管理指標の設計と管理ダッシュボードの構築も支援しています。この一連の指標は、病床数、手術室数のような容易に把握可能な数字から適正水準が導き出せるよう作成しており、他病院からの指標も加えることで、東大病院だけでなく複数病院間での比較を可能にすることを目指しています。

本プロジェクトを担当したBCGヘルスケア・グループ アジア・パシフィック地区リーダーの植草徹也は「本プロジェクトでは、東大病院における事務および委託業務プロセスを効率化し、そこで浮いた人的資源を患者サービスに投入することで、収支と医療の質を同時に向上することを目指しました。我が国を代表する医療機関の経営に貢献できたことを非常に名誉に思っています」とコメントしています。

■ 担当者

植草 徹也 シニア・パートナー&マネージング・ディレクター
BCGヘルスケア・グループのアジア・パシフィック地区リーダー。
京都大学法学部卒業、南カリフォルニア大学経営学修士(MBA)。株式会社電通、BCGダラス・オフィスを経て現在に至る。共著書に『BCG流病院経営戦略 DPC時代の医療機関経営』 (エルゼビア・ジャパン、2012年)。

本件に関するお問い合わせ

ボストン コンサルティング グループ マーケティング 直江
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ボストン コンサルティング グループ(BCG)

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日本では、1966年に世界第2の拠点として東京に、2003年に名古屋、2020年には大阪、京都にオフィスを設立しました。

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