支出意欲を捉えるカギは、体験性の高い商品・サービス設計や価格設定の工夫
【プレスリリース】
経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)は、日本全国の18歳以上の一般消費者7,000人以上を対象に実施する「
BCG消費者心理調査
」の最新の調査結果(2025年夏に実施)を公表しました。本調査は2020年に開始した「BCG COVID-19 消費者心理調査」シリーズから数えて、今回が12回目となります。
経済の見通しに悲観的な消費者は60%に上る
日本経済の見通しについて悲観的な人の割合は 前回調査 (2024年実施)から10ポイント増加し、60%でした(図表1)。物価が1年前と比べて「非常に高くなった」と感じる人の割合も5ポイント増加の48%となり、半数近くの消費者が単に物価の上昇だけでなく、上昇幅の大きさも強く実感していることがわかりました。
一方、今後6カ月の支出の変化について尋ねたところ、36%が「増加する」と回答(前回調査では34%)。背景の内訳としては、「意図的に増やす」人が19%、「物価が上昇しているため支出を増やさざるを得ない」人が81%に上りました。過去の調査では、特に経済情勢の見通しが悲観的な状況では支出を減らす方向に消費行動を変える動きが顕著でしたが、長引く物価上昇のなかで、消費者の支出への意識が必ずしも“節約”のみにとどまらなくなっていることがうかがえます。
嗜好品の中でも「体験性の高さ」で消費にメリハリをつける傾向
カテゴリー別に支出の見通しを見ると、公共料金や食品などの必需品に比べて、嗜好品の支出を抑える傾向が見られました。ただし、嗜好品の中でも「高級ブランド」「化粧品」「男性用衣料品」「女性用衣料品」では支出を減らす人の割合が高いのに対し、「レジャー・旅行」「趣味・ホビー」では支出を増やす人の割合が高くなっています(図表2)。自らの選択で支出の内容を組み立てたり、“推し活”などに代表されるような自らの嗜好・欲求で消費の内容を決めたりするような「体験性の高い」カテゴリーでは、物価上昇局面でも支出意向が旺盛な層が一定存在していると考えられます。
生成AIを活用する層では7割超がAIを活用した値付けを受け入れている
AIを活用した値付けや段階的な複数料金プランなど、複雑な価格設定に対する感じ方についても尋ねました。「携帯通信や音楽・動画配信などで見られる、ベーシック/スタンダード/プレミアムといった段階的な料金プラン」を好意的に捉えている消費者の割合は79%に上りました。AIによるリアルタイムでの価格変動を「受け入れられる」と感じている消費者の割合は、生成AIを普段から使用している層で前年から2ポイント増加の74%、未使用層でも7ポイント増加の59%となっています。
調査を担当したBCGのマネージング・ディレクター&パートナー、 紀平 啓子 は「インフレが長引くなかで、消費者の行動も一辺倒に支出を抑える傾向から、支払う部分と節約する部分を意識的に分けるメリハリ消費へと変わってきていることが見て取れます。また、そうしたメリハリの基準についても、ただ価格が安い/高いから選ぶのではなく、より自分に合ったもの、自分なりの購入理由があるものを選ぶようになっていると考えられます。企業は個人のニーズをより精緻に捉え、それぞれの購買理由により的確に訴求する商品・サービスを設計し、価値に応じた価格を設計・設定することが求められています」とコメントしています。
■ 調査資料
「 BCG消費者心理調査――インフレ下の行動変化を捉える 」
■ 調査概要
全国の18歳以上の男女を対象にオンラインで実施
- 実施時期: 2025年8月8日~9月4日
- 回答者数: 10,007人
■ 担当者
紀平 啓子
マネージング・ディレクター & パートナー
BCG消費財・流通グループ、およびマーケティング・営業・プライシンググループのコアメンバー。
早稲田大学法学部卒業。同大学大学院法学研究科修了。テレビ東京ブロードバンド株式会社、グリー株式会社を経て現在に至る。
阿川 大
マネージング・ディレクター & パートナー
BCGマーケティング・営業・プライシンググループのアジア・パシフィック地区リーダー兼日本リーダー。消費財・流通グループ、および組織・人材グループのコアメンバー。
京都大学法学部卒業。イエール大学国際関係論修士、および経営学修士(MBA)。日興シティグループ証券株式会社、BCGニューヨーク・オフィスを経て現在に至る。
■ 本件に関するお問い合わせ
ボストン コンサルティング グループ マーケティング 中崎・中林・天艸
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