エネルギー
巨大企業同士の合併にともない、非常に複雑なPMIが必要になりました。BCGは、プログラムの構築と管理、コスト面での透明性の確保、シナジーについての基本的な考え方の設定、データ受け渡しの管理などの役割を担いました。規律正しく推進できたため、この統合は予定通りの予算で完了しました。
PMIをめぐるもっとも大きな誤解のひとつは、日々の業務のかたわら実行できる仕事だと考えられていることです。この楽観的すぎる考え方が価値創出の実現を阻んでいます。BCGはPMIの成功を導く独自のフレームワークにより、クライアント企業のM&Aを通じた創出価値を11%増加させてきました。
M&A は企業価値を破壊することの方が多いといわれます。つまり、M&A案件の半分以上が価値を棄損するか、パフォーマンス低下につながっているのです。それぞれが独自のプロセス、構造、文化、マネジメントを持つ2つの組織を統合することは非常に複雑であり、それがPMIの困難さであると言えます。
PMIを成功させるためには、根本的に性質の異なる4つの目標を達成しなくてはなりません。
既存事業のモメンタムを維持する
シナジーと価値創造を最大化する
組織を再構築し、新しい会社を前進させるような組織風土を醸成する
組織能力を統合し、競合優位性を高める。
つまり、PMIはシニア経営層にとってもっとも困難な取り組みのひとつであるといえます。
私たちは、これまでに550のM&A案件を手掛けてきたグローバル企業を5年にわたり支援してきました。その間、主にBCGの支援により同社のM&Aの創出価値は長期平均を11%上回りました。
BCGでは業界、事業戦略についての深い知見と、クライアント企業に価値を実現するための包括的な組織能力・専門性を組み合わせ、M&AディールからPMIに至るプロセス全体を通じて価値創出を加速し、最大化しています。
同じ PMIはどれ一つとしてないため、万能の方程式を立てることは困難です。しかし、BCGでは、「方向性を定める」「価値を実現する」「組織を構築する」という3つのフェーズにおける12の必須要件から成るアプローチを編み出しました。最初のフェーズでは、基本的な目標を特定することが必須です。第2フェーズでは、スピードが、第3フェーズでは、継続的なコミュニケーションが大きなカギとなります。
私たちはまた、PMIのプロセスの中で企業が直面する何百もの意思決定を後押しする独自のツールキットを活用してクライアントを支援しています。こうしたツールは、複雑性をマネジメントし、すべての取り組みが確実に意図した価値を創出できるようにするために使われています。
BCGはただ統合を支援するだけでなく、PMIのプロセスについての深い知見を提供することでクライアントが自ら成功をつかむためのお手伝いをしています。私たちのPMIアカデミーは、PMIの専門家が主導する複数日にわたるワークショップです。豊富な事例をもとに構築された実践的なマスタークラスであり、それぞれのPMIの課題や目的に合わせてカスタマイズされています。
PMIのプロセスは一律だと考えられていますが、実際はそれぞれに異なるスピード、スタイル、フォーカス、リズムで進められています。PMIの戦略とプロセスは、これらの相違を考慮して調整しなければなりません。ここでは、BCGがクライアントに提供してきたPMIコンサルティングの事例をいくつか紹介します。
巨大企業同士の合併にともない、非常に複雑なPMIが必要になりました。BCGは、プログラムの構築と管理、コスト面での透明性の確保、シナジーについての基本的な考え方の設定、データ受け渡しの管理などの役割を担いました。規律正しく推進できたため、この統合は予定通りの予算で完了しました。
大手地方銀行は、重要な組織能力の構築に投資するための規模と効率性の創出をめざして合併を選びました。新組織の設計は、特に複雑で繊細な課題でした。BCGは、設計の指針となる目標と原則を策定するとともに、新しい業務モデルの定義を支援しました。統合が完了するまでに、組織は強力なリーダーシップを発揮し、シナジーと新たな組織能力構築を実現しました。
M&A、トランザクション、PMI領域でのBCGの支援
BCG は、多くの業界に関する深い専門知識と、M&AおよびPMIのすべての側面にわたる包括的な知見を活用し、クライアント企業がトランザクションを通じて最大の価値を創出できるようサポートします。
現在の環境下では、多くの企業が事業売却を検討しています。事業売却は価値創出につながるのでしょうか? 成功への最良の道筋はどのようなものなのでしょうか?(英文)
カスタマイズされたPMIアプローチを採用し、成功への6つの必須条件を満たす保険事業者は、M&Aの戦略的目標を達成できる可能性が高いといえます。(英文)
組織カルチャーに焦点を合わせることは、長期的な成功を目指すうえで重要です。自社のアイデンティティを複合的な視点で確認し、実現したいカルチャーの姿を定義することからスタートし、そのうえで達成に向けた実践的なステップを策定していきます。
PMI(M&A後の統合)のプロセスの中で、人材と組織カルチャーを的確にマネジメントする方法についてBCGのニーヴ・ドーソンが解説します。
統制のとれたアプローチにより、合併する企業はより高い目標を掲げ、より多くのことを達成し、より早い段階でシナジーを実現することができます。統合の真の目的を果たすことができるのです。