business model innovation

ビジネスモデル・イノベーション

商品とサービスのイノベーションは不可欠ですが、ビジネスモデル・イノベーションは、特に混乱期においては、さらに長期間継続する競争優位性をもたらすことができます。

この50年間で、ビジネスモデルの平均寿命が約15年から5年未満まで短期化しています。その結果として、今やビジネスモデル・イノベーションは、飛躍的な成長を推し進め、後れをとっている中核事業を再活性化し、業界のディスラプションや衰退から自社を防御しようとする組織にとって不可欠な組織能力となっています。

ビジネスモデル・イノベーションとは

ビジネスモデル・イノベーションとは、組織の顧客へのバリュープロポジション(価値提案)と、その基盤となるオペレーション・モデルを、同時に(かつ相互に支えあうように)変革することで優位性と価値創造を高めるアートです。バリュープロポジションの側面では、対象セグメント、製品・サービス、収益モデルの選択に取り組みます。オペレーション・モデルの側面では、バリュープロポジションをどのように実現するかについての以下のような意思決定を通じて、収益性、競争優位性、価値創造をいかにして高めるかに注力します。

  • バリューチェーンのなかのどこで戦うか。
  • 魅力的なリターンを確保するにはどのようなコストモデルが必要か。
  • 成功にはどのような組織構造や組織能力が不可欠か。

ビジネスモデル・イノベーションはトランスフォーメーションにもきわめて重要です。多くの組織が抱く共通の懸念があります。飛躍的なパフォーマンスを達成するには、どのようなタイプのビジネスモデル・イノベーションが役立つか。中核事業を危険にさらさないようにするにはどうしたらよいか。新しいモデルの開発、迅速なテスト、拡大展開を行う組織能力をどのように構築するか。組織の変革を推進することはさまつな仕事ではなく、現在の戦略的環境を考慮すればきわめて重要なことです。

Imagine If Companies Were Better at Imagination

Creativity is too important to be left in the sandbox. It belongs in the boardroom. Martin Reeves, chairman of the BCG Henderson Institute, explains how to bring it there.

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ビジネスモデル・イノベーションへのBCGのアプローチ

ビジネスモデル・イノベーションを通じて成長を推し進めたい企業は、多くの重要な問いに直面しています。取り組みの範囲はどの程度にすべきか。どの程度のリスクを取るのが適切か。1度限りの取り組みか。あるいは継続的な組織能力が求められるのか。

これらの問題に答えるには、すべてのビジネスモデル・イノベーションの取り組みが同じものではないと認識することが重要です。ビジネスモデル・イノベーションに対する4つの異なるアプローチを理解することが、経営幹部が成長への道筋を設計する際に効果的な選択を行う助けとなります。

1. Reinventor(再発明)アプローチは、コモディティ化や新たな規制など、業界の根本的な課題に照らして展開されます。ビジネスモデルが徐々に劣化し、成長の見通しが不明確な場合です。このような状況では、企業は顧客へのバリュープロポジションを再発明し、新しい優れた商品・サービスを収益がとれる方法で提供するために、オペレーションを再編成しなければなりません。 

2. Adapter(適応)アプローチは、現在の中核事業が、たとえ再発明したとしても、根本的なディスラプションに対抗できる可能性が低い場合に用いられます。Adapterは隣接する事業や市場を探求し、場合によっては中核事業から完全に撤退することもあります。Adapterは、適切なビジネスモデルで成功する「新しいコア」スペースを見つけるために、粘り強く実験を推進する イノベーション・エンジン を構築する必要があります。 

3. Marverick(独自路線)アプローチでは、より成功する可能性の高いコアビジネスを拡大するために、ビジネスモデル・イノベーションを展開します。Mavericksは、その中核的優位性を活かして業界に大改革をもたらし、新たなスタンダードを確立します。スタートアップ企業である場合も、革命を起こす既存企業の場合もあります。これを実現するには、成長を推進するための事業の競争力や優位性を継続的に進化させる能力が求められます。 

4. Adventure(冒険)アプローチでは、新しい領域や隣接する領域を探求したりそこへ進出したりすることで、ビジネスの範囲を積極的に拡大します。このアプローチでは、新市場で成功するために、自社の競争優位性を理解すること、そして、その優位性の新しい適用法に注意深く投資することが求められます。 

 

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