石油・ガス
ある大手石油・ガス会社は、広範なトランスフォーメーションの一環としてコスト規律を組織カルチャーに植えつけたいと考えていました。BCGがこの会社の多くの事業にわたりゼロベース予算を適用して支援することで、新しい働き方により合計3億ドルにのぼる価値を解き放てることが特定できました。
ゼロベース予算は、成長やイノベーションを推進するためのリソースを解き放ち、組織の仕事そのものや働き方を根本的に変えることで、大規模トランスフォーメーションの大きな支えとなります。BCGのゼロベース予算に精通したコンサルタントは、クライアントがこの手法をコスト意識の高いカルチャーに埋め込むお手伝いをします。それにより30%程度の支出削減といった明白な成果が実現されています。
このアプローチは一時的なコスト削減戦略ではありません。ZBBではファクトを基に、リソースをどう解き放つか、そして、どうしたら解き放たれたリソースの再配分先を賢明に選択できるかを判断します。その結果、事業に持続的なプラスの変化がもたらされます。ゼロベース予算とゼロベース・オペレーションは、各組織の固有の状況に応じてカスタマイズすることでもっとも効果を発揮します。
ゼロベース予算の導入では、役割、責任、プロセスを再定義し、考え方やカルチャーの変革も実現すべきです。こうしたZBBにともなう組織再設計をマネジメントするために、リーダーやマネジャーが自らの時間・リソースを投資し、うまく実行する責任を負わなければなりません。
ゼロベース予算は、1回限りのコスト削減にとどまらず、ビジネスに構造的変革をもたらす手法です。BCGによる支援の内容をご覧ください。
BCGではゼロベース予算の導入にあたり、画一的ではなく、それぞれのクライアントの固有のニーズ――ビジネスサイクルのどの段階にあるか、何を戦略的優先課題やトランスフォーメーション・アジェンダとして定義しているかなど――に応じたカスタマイズしたアプローチをとります。それにより、陥りがちな落とし穴を避け、ゼロベース予算の最大限の可能性を実現できるよう支援します。
特に、企業が成長の推進とコストのマネジメントをうまく両立できるやり方でゼロベース予算を実行できるようにします。そのポイントは以下のとおりです。
ビジョン。なぜゼロベース予算プログラムを開始するのか、ZBBで何を実現したいのか、を明確にします。ZBBプログラムを戦略と結びつけ、戦略に合致するように設計します。
透明性。 詳細な基準値、判明しているバリュードライバー、コストと活動の綿密な分析についての透明性を高めます。BCGのSpendAIエンジンがこの透明化をサポートします。SpendAIはアドバンスト・アナリティクスと機械学習を組み合わせて経済活動を具体的なコスト・カテゴリーに整理し、企業が支出を活動別・責任者別に特定できるようにします。意思決定者は組織全体にわたり支出の詳細を把握でき、改善機会に対して注意信号を出せるようになります。
ガバナンス。 意思決定を支えるとともに、従業員がプログラムに自主的に取り組み、マネジメントし、推進できるよう、両面でのコスト説明責任を導入します。
高い志。 ビジネスモデルの選択肢を確定し、コスト削減領域を優先順位づけし、賢明な目標を設定します。
ゼロベース予算。 ボトムアップの粒度が細かく包括的な考え方を開発して、徹底的に予算を見直し、目標を統合します。
パフォーマンス・モニタリング。 変化への対処のしかたや資金の再配分のしかたなどを含めて、コスト追跡の明確な仕組みを設定します。
実行。 アクションプランとマイルストーンを策定し、プログラムを実行します。変化や再配分のプロセスをフォローします。
再投資。 削減できたコストを、うまく成長を推進できるやり方で再投資します。
BCGの支援事例の一端をご紹介します。
ある大手石油・ガス会社は、広範なトランスフォーメーションの一環としてコスト規律を組織カルチャーに植えつけたいと考えていました。BCGがこの会社の多くの事業にわたりゼロベース予算を適用して支援することで、新しい働き方により合計3億ドルにのぼる価値を解き放てることが特定できました。
食品業界のある多国籍企業は早急にコスト・トランスフォーメーション・プログラムを実行し、マーケティング・オペレーションから新たな価値を引き出すことを必要としていました。BCGはゼロベース予算を適用して、この企業が販売管理費を25%削減するお手伝いをしました。このコスト削減の約3分の1はプログラム実施初年度に実現されました。