13october2021-global-payments-2021

世界の決済市場のレベニュープール(市場規模)は2020年に約1.5兆ドル、2030年までに倍増すると予測~BCG調査

決済事業者のパンデミック対応と消費者のオンライン決済へのシフトが追い風に

印刷用のPDFはこちら

【参考資料】

(本資料は、2021年10月11日に米国で発表されたプレスリリースの抄訳です)

ボストン発、2021年10月11日 ―― 経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)は、グローバルペイメント・レポートの2021年版「Global Payments 2021: All in for Growth」(以下、レポート)を発表しました。BCGでは毎年世界の決済市場についての調査を行っており、今回が19回目となります。この調査では、マクロ経済データや公表財務データなどをベースに、決済市場の動向を分析しています。

新型コロナウイルス感染拡大の影響は一時的、世界の決済市場は回復・成長を続ける見込み

2020年の世界の決済市場のレベニュープール(市場規模)は約1.5兆ドルと推計され、2019年から2020年にかけての年平均成長率(CAGR)はマイナス2.5%と、新型コロナウイルス感染拡大の影響は予想より限定的なものとなりました(図表)。レポートでは、コロナ危機の初期には世界的に取引量が減少したものの、各国政府による景気刺激策や、米国、中国などの主要な市場の急速な回復により、大きな落ち込みは見られなかったと分析しています。また、世界の決済事業者は電子商取引の導入、キャッシュレス決済への転換など、コロナ禍がもたらした課題に迅速に対応したと報告しています。決済市場は今後5年間、すべての地域で成長が見込まれ、2020年から2025年にかけて年平均成長率7.3%で拡大し、2030年には2.9兆ドルの規模に達する見込みです。

レポートの共著者でBCGパリ・オフィスのマネージング・ディレクター & シニア・パートナーのヤン・セナンは、「決済業界はコロナ禍において、経済回復を促す役割を果たしました。しかし、コロナ禍が引き起こした課題への対応を通じてイノベーションへの門戸が開かれたことで、より多くの新規プレーヤーが参入し、競争が激化するでしょう」とコメントしています。

業界再編やM&Aの増加、デジタル通貨の流通が加速…今後数年間のトレンドを予想

レポートでは、今後数年間に決済業界で予想される世界的なトレンドを明らかにしています。例えば、ビッグテック企業、フィンテック企業などが参入し、銀行の関与も強まることで、デジタル・エコシステムや専門的なソフトウェア・ソリューションの果たす役割が大きくなると考えています。これに伴う業界再編やM&Aの増加に加え、より多くの中央銀行がデジタル通貨を発行する可能性についても言及しています。各国の規制当局は経済成長を促すため、API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を利用して金融機関のデータを外部と共有する「オープンバンキング」を推進し、決済インフラの機能性向上に注力するとも予想しています。

法人向け決済ビジネス領域では競争が激化、プラットフォームの戦略化がカギに

個人向け決済ビジネスは、今後5年間の年平均成長率が加盟店契約会社(アクワイアラ)で11.3%、カード等の発行会社(イシュア)は7.6%、ネットワーク事業者は11.4%といずれの分野でも力強い成長が見込まれています。

法人向け決済ビジネスの収益は2019年から2020年にかけて5.5%減少しました。背景として、長引く低金利や企業の支出の減少、国際情勢の一時的な悪化などが挙げられます。しかし、回復は早く、2025年までに6.6%の成長が見込まれています。法人向け決済の領域には、既存企業も、従来型とは異なるプレーヤーも積極的に参入しており、デジタルを活用したB2BやB2B2Cのプラットフォームがあらゆる業界で増加しています。そのため、事業環境は引き続き競争の激しいものになると予想されます。法人顧客は、使いやすい銀行・決済サービスやアナリティクスによる洞察、データと企業の管理システムの円滑な統合をますます必要としています。

レポートの共著者でBCG東京オフィスのマネージング・ディレクター & パートナー、平野 聡久は次のようにコメントしています。「決済ビジネスにおけるエコシステムは流動的であり、迅速に行動する準備ができている企業には非常に大きな成長機会があります。日本企業も、すぐにでも大胆かつ戦略的な行動を起こし、長期的な優位性を獲得しなければなりません」

■ 調査レポート

Global Payments 2021: All in for Growth

■ 調査概要

世界各国・各国際機関のマクロ経済データ、企業・金融機関の公表財務データをベースに、決済市場の現在と今後を展望する調査。世界約60カ国について、決済市場の市場規模やダイナミクスを分析するモデルであるグローバルペイメント・モデルを構築し、エキスパートへのインタビューも行っている。

■ 日本における担当者

平野 聡久 マネージング・ディレクター & パートナー
BCGテクノロジーアドバンテッジ・グループの日本リーダー。金融グループ、保険グループのコアメンバー。東京大学法学部卒業、ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。日本銀行を経て現在に至る。

■ 本件に関するお問い合わせ

ボストン コンサルティング グループ マーケティング 直江・福井・天艸
Tel: 03-6387-7000 / Fax: 03-6387-0333 / Mail: press.relations@bcg.com

ボストン コンサルティング グループ(BCG)

BCGは、ビジネスや社会のリーダーとともに戦略課題の解決や成長機会の実現に取り組んでいます。BCGは1963年に戦略コンサルティングのパイオニアとして創設されました。今日私たちは、クライアントとの緊密な協働を通じてすべてのステークホルダーに利益をもたらすことをめざす変革アプローチにより、組織力の向上、持続的な競争優位性構築、社会への貢献を後押ししています。

BCGのグローバルで多様性に富むチームは、産業や経営トピックに関する深い専門知識と、現状を問い直し企業変革を促進するためのさまざまな洞察を基にクライアントを支援しています。最先端のマネジメントコンサルティング、テクノロジーとデザイン、デジタルベンチャーなどの機能によりソリューションを提供します。経営トップから現場に至るまで、BCGならではの協働を通じ、組織に大きなインパクトを生み出すとともにより良き社会をつくるお手伝いをしています。

日本では、1966年に世界第2の拠点として東京に、2003年に名古屋、2020年には大阪、京都にオフィスを設立しました。

Press Releases