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今後10年間で、多くの低炭素製品が不足する可能性。グリーン市場の需要拡大は早期参入企業にチャンスをもたらす~BCG、WEF共同レポート

サステナビリティをビジネスにつなげる6つのアクションを企業に提示

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【参考資料】

(本資料は、2022年1月12日に米国で発表されたプレスリリースの抄訳です)

ボストン発、2023年1月12日 ―― 経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)は、世界経済フォーラム(WEF)との共同レポート「Winning in Green Markets: Scaling Products for a Net Zero World」(以下、レポート)を発表しました。温室効果ガス排出量ネットゼロに関するWEFとの共同レポートの発行は、2022年1月に続き4度目となります。レポートでは、低炭素な代替製品にかかる追加コストの分析や、環境配慮型製品(グリーン製品)に関連する「グリーン市場」の需要拡大に備え、企業が取るべきアクションを提示しています。

低炭素製品にかかる追加コストは50%以上 グリーン技術の規模拡大で減少する見通し

国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によると、地球温暖化の気温上昇を1.5度に抑えるためには2030年までに温室効果ガス排出量を2019年比で43%削減する必要があります。レポートによると、特に産業部門では低炭素な代替製品の多くは現時点で50%以上の追加コストがかかっていますが(図表1)、環境負荷を軽減するグリーン技術の規模が拡大するにつれて減少する見通しです。それに伴い、グリーン市場に先行して取り組む企業に多くの機会がもたらされると考えられます。

サステナブルな製品は関連付けるメリット次第で2~4倍の需要増

2022年6月にBCGが行った消費者調査によると、サステナブルな製品を「環境保全のため」に選択する消費者は10%未満ですが、「健康、安全、品質」など他のメリットと関連付けた場合は約2~4倍(消費者の20~43%)に、「利便性、情報不足、コスト」などのデメリットが改善された場合はさらに2~4倍(約80%)に増加することが分かっています。企業は、このような消費者動向と、政府の取り組み、従業員や投資家などのステークホルダーからの要求に沿うことで、グリーンな(環境配慮型の)選択肢の開発に向けた説得力あるビジネスケースを構築することができます。消費者が対価を払ってもよいと考えるグリーン製品の市場は未開拓、かつ急速に成長しており、早期参入企業にチャンスをもたらしています。

グリーン素材を巡る「グリーン不足」が発生 グリーンプラと化学品は2030年の不足リスク高

レポートでは、グリーン素材の需要が大きく高まっているにもかかわらず、バリューチェーンの川上企業(供給サイド)がそのペースに対応できていないため、「グリーン不足」が発生していると指摘しています。自動車や食品・飲料など主要なバリューチェーンの多くで、SBTi(注1)に認定されたスコープ3排出量(注2)削減のコミットメントを発表している川下企業の市場シェアは、その達成に必要な素材を供給する川上企業のうち同様のコミットメントを発表している企業のシェアをはるかに上回っています。この差は20%ポイント以上になる場合もあることが分かりました。また、2030年の不足リスクはグリーンプラスチックと化学品が最も高く、生産能力が消費者の需要を満たせなくなる可能性があると予測されています。

脱炭素コミットメントを顧客価値に転換する サステナビリティをビジネスにつなげる6つのアクション

一方、川下企業は消費者に訴求する脱炭素製品の開発に苦戦しています。レポートでは、サステナビリティをビジネスにつなげるために企業が取るべき6つのアクションを解説しています(図表2)。

WEF気候変動対策責任者のAntonia Gawelは次のようにコメントしています。「ここからの10年は、気候変動対策の拡大と、低炭素な素材・製品・サービスの大規模な市場創出を実現するチャンスです。企業と政府は、気候変動目標を時間軸に見合うかたちで達成するために、資本、技術、政策、法律を提供する重要な役割を担っています。2023年のダボス会議は、そうしたリーダーたちが目標達成に向けて熱意を高めるとともに、投資を加速させる場になります」

(注1)世界自然保護基金(WWF)、CDP(旧カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)、世界資源研究所(WRI)、国連グローバル・コンパクトによる共同イニシアチブ。企業に対し、科学的知見と整合した削減目標を設定することを推進している。
(注2)取引先や顧客による製品・サービス利用等に伴う排出量。

■ 調査レポート

Winning in Green Markets: Scaling Products for a Net Zero World

■ 日本における担当者

丹羽 恵久 マネージング・ディレクター & パートナー
BCG気候変動・サステナビリティグループ、パブリックセクターグループの日本リーダー。BCGハイテク・メディア・通信グループ、社会貢献グループ、および組織・人材グループのコアメンバー。
慶應義塾大学経済学部卒業。国際協力銀行、欧州系コンサルティングファームを経て現在に至る。

■ 本件に関するお問い合わせ

ボストン コンサルティング グループ マーケティング 井上・福井・天艸
Tel: 03-6387-7000 / Fax: 03-6387-0333 / Mail: press.relations@bcg.com

ボストン コンサルティング グループ(BCG)

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日本では、1966年に世界第2の拠点として東京に、2003年に名古屋、2020年に大阪、京都、2022年には福岡にオフィスを設立しました。