若年層の購買行動はきっかけ次第で移行しやすい。環境に関する情報の認知経路はテレビが中心。きっかけづくりが課題
【参考資料】
経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)は、日本全国の20代から60代までの消費者を対象に実施した「サステナブルな社会の実現に関する消費者意識調査」の最新の調査結果を3月9日に公表しました。本調査は、環境問題をはじめとしたサステナブルな社会の実現に関する消費者意識の変化を定点的・長期的に観測することを目的として2021年2月に開始し、4月、7月、12月と定期的に実施してきました。
COP26の認知率は年代が上がるほど高く、認知経路はテレビが6割を超える
2021年11月に開催されたCOP26(国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議)の認知率は、20代の41%から年代が上がるほど増加し、60代では71%にのぼりました(図表1)。COP26開催を何で知ったのか(認知経路)を聞いたところ、その割合はテレビのニュースや報道番組が63%と圧倒的に高く、次いでニュースサイト・ニュースアプリが32%、新聞が23%でした。
COP26がきっかけで環境に配慮した購買行動へと変化した人の割合は20代が35%で最高
COP26を認知している人に対して、COP26をきっかけに環境への意識や購買行動に変化が起きたかを聞いたところ、変化が起きたと回答した人の割合は若年層で高いことが分かりました(図表2)。COP26がきっかけで環境に配慮した買い物を心がけるようになった人は全体で24%でしたが、年代別にみると20代は35%、30代は30%と若年層でその割合が高い傾向がありました。他の年代に比べて20代、30代はきっかけがあれば購買行動に変化が起きやすい一方、環境に関する情報の主要な認知経路であるテレビを見る割合は低いため、若年層が行動を変えるきっかけをどうつくるかが課題と考えられます。
「SDGs」「カーボンニュートラル・脱炭素社会」の認知率はともに8割を超え、高い水準に
今回の12月調査における「SDGs」という言葉の認知率は84%、「カーボンニュートラル・脱炭素社会」の認知率は83%へと上昇し、広く認知されていることが分かりました(図表3)。
比較的低かった20代の「カーボンニュートラル・脱炭素社会」の認知率も12ポイント増加し76%に
「SDGs」に関しては、どの年代も認知率が80%超となり、年代による認知率の差はほぼありませんでした(図表4)。「カーボンニュートラル・脱炭素社会」については、高年齢層の認知率が高い傾向は変わらないものの、全年代において認知率が高まりました。なかでも、前回調査では前々回との変化がなかった20代の認知率は、今回の調査で前回から12ポイント増加し、76%と高い水準となりました。
■ 調査資料
「サステナブルな社会の実現に関する消費者意識調査結果」
環境問題をはじめとしたサステナブルな社会の実現に関する消費者意識の変化を定点的かつ長期的に観測する調査。態度変容の兆しやフックとなる情報・事象の把握、購買行動変化の兆しをつかむことを目的とし、2021年2月から調査を実施。
過去の調査結果はこちらからご覧ください。
■ 調査概要
日本全国の20~69歳の男女を対象にインターネットで実施。人口動態に応じ、ウエイトバックして集計。
■ 担当者
丹羽 恵久 マネージング・ディレクター & パートナー
BCGパブリック・セクターグループの日本リーダー。BCGジャパンのカーボンニュートラル・気候変動領域を統括。
BCGハイテク・メディア・通信グループ、社会貢献グループ、および組織・人材グループのコアメンバー。慶應義塾大学経済学部卒業。国際協力銀行、欧州系コンサルティングファームを経て現在に至る。
伊原 彩乃 プロジェクトリーダー
BCGパブリック・セクターグループ、社会貢献グループのコアメンバー。カーボンニュートラル・気候変動領域のエキスパート。
東京大学工学部卒業。BCGに入社後、コンサルティングや人材育成、マーケティングに従事。その後BCGに再入社。
■ 本件に関するお問い合わせ
ボストン コンサルティング グループ マーケティング 直江・福井・天艸
Tel: 03-6387-7000 / Fax: 03-6387-0333 / Mail: press.relations@bcg.com
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日本では、1966年に世界第2の拠点として東京に、2003年に名古屋、2020年に大阪、京都、2022年には福岡にオフィスを設立しました。