WEF/BCG Net-Zero Challenge: The supply chain opportunity

ネットゼロエミッションへのチャレンジ: サプライチェーンの脱炭素化は低コストで達成可能、気候変動対策のカギに

BCG、世界経済フォーラムと共同でレポートを発表

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【参考資料】

(本資料は、2021年1月21日にスイスで発表されたプレスリリースの抄訳です)

ジュネーブ発、2021年1月21日 ―― 経営コンサルティングファームのボストン コンサルティンググループ(BCG)は、世界経済フォーラム(WEF)との共同レポート「Net-Zero Challenge: The Supply Chain Opportunity」(以下、レポート)を発表しました。ネットゼロエミッション(温室効果ガス排出量実質ゼロ)へのチャレンジに関するWEFとの共同レポートの発行は、2020年1月に続き2度目となります。

ここ1年、多くの企業や地方自治体が排出量ネットゼロに向けた宣言を発表しており、社会のあらゆる分野で脱炭素化の流れが加速しています。レポートでは、サプライチェーンの脱炭素化はすぐに導入可能な技術の活用によりわずかな追加コストで達成でき、大きなインパクトをもたらすことから、気候変動対策のゲームチェンジャーとなりうると指摘しています。

サプライチェーンを脱炭素化しても、最終消費者の負担コスト増は1~4%に抑えられる

レポートでは、世界の温室効果ガス排出量の50%以上を占める8つのサプライチェーン(食品、建設、ファッション、日用品、電子機器、自動車、専門サービス、物流)を分析しました。その結果、これらのサプライチェーンをエンドツーエンドで脱炭素化したとしても、中期的に見れば最終消費者が追加で負担するコストを1~4%程度に抑えられることが分かりました。各サプライチェーンにおける排出量削減の手段の多くはすぐにでも導入でき、導入にかかる費用も非常に低く抑えられます。また、多くのサプライチェーンがグローバルに展開していることから、政府の気候変動対策が遅れている国でも脱炭素化を支援することが可能です。

サプライチェーンにおける排出量が自社製品の製造自体での排出量をはるかに上回る、特に消費者向けの企業には、より大きなインパクトを与える機会があるといえます。自動車を例にとると、上流の鉄鋼メーカーにとっては、カーボンゼロで鉄鋼をつくるための生産コストは非常に高くなりますが、自動車の最終消費者価格に占める原材料の割合は低いため、カーボンゼロの自動車の購入者が負担するコストは、中期的には2%程度の上乗せに抑えられます。このため、消費者向けの企業は、その大きな購買力をテコに脱炭素化を急速に推進するとともに、単独では脱炭素化のための資金調達に苦戦しているサプライチェーン上流の企業に共同で投資することで変革を支援することができます。

レポートの共著者でBCGミュンヘン・オフィスのマネージング・ディレクター&パートナー、Patrick Herholdは「脱炭素化のもっとも大きな障壁はコストであるとはいえなくなってきています。私たちが分析した8つの主要サプライチェーンにおける排出量の約40%は、コスト削減も実現する施策により削減できるか、またはCO2換算で1トンあたり10ユーロ未満で削減できます。プロセスの効率化やリサイクル素材の使用、再生可能な電力の購入を増やすことで、企業は低コストで気候変動対策による利益を得られるのです」とコメントしています。

サプライチェーンの脱炭素化に向けてリーダーが行うべき9つのアクション

レポートでは、サプライチェーンの排出量削減に向けてCEOが行うべきアクションを紹介しています。

  • 透明性の確保。①排出に関する基準を設定し、サプライヤーとデータを共有する。②排出量削減のための野心的な目標を設定し、進捗状況を公表する。
  • CO2排出量の最適化。③持続可能性の高い製品を再設計し、④バリューチェーンや調達戦略を見直す。
  • サプライヤーとの信頼関係の構築。⑤調達基準における排出量の指標を統合し、パフォーマンスを追跡する。⑥サプライヤーが排出量を調整できるよう、協働する。
  • エコシステムへの関与。⑦業界全体で活動する(ベストプラクティスの共有、政策提言など)。⑧サプライヤーや政府等と協力し、環境に優しい製品への需要を喚起する。
  • 削減目標達成に向けたガバナンス体制の構築。⑨組織の目標や資金配分、インセンティブを排出量削減目標に沿ったものにする。

■ 調査レポート

Net-Zero Challenge: The Supply Chain Opportunity
ダイジェスト版はこちら
英「Supply Chains as a Game-Changer in the Fight Against Climate Change
日「サプライチェーンの脱炭素化が気候変動との戦い方を変える

2020年1月に発表されたレポートはこちら
The Net-Zero Challenge: Fast-Forward to Decisive Climate Action

■ 日本における担当者

折茂 美保 マネージング・ディレクター&パートナー
BCG社会貢献グループの日本リーダー。パブリックセクターグループ、ハイテク・メディア・通信グループ、およびコーポレートファイナンス&ストラテジーグループのコアメンバー。東京大学経済学部卒業。同大学院学際情報学府修士。スタンフォード大学経営学修士(MBA)。

内田 康介 マネージング・ディレクター&パートナー
BCGオペレーショングループの北東アジア地区リーダー、産業財・自動車グループ、エネルギーグループのコアメンバー。NTTコミュニケーションズ株式会社を経て現在に至る。京都大学文学部卒業。コーネル大学経営学修士(MBA)。

岩渕 匡敦 マネージング・ディレクター&パートナー
BCGにおけるサプライチェーントピックの日本リーダー。テクノロジーアドバンテッジグループのコアメンバー。ソフトバンク、複数のIT・ベンチャー企業のマネジメントを経験後、Deloitteのデジタル戦略プラクティス責任者等を経て現在に至る。INSEAD International Executive Programme 修了。

■ 本件に関するお問い合わせ

ボストン コンサルティング グループ マーケティング 直江・嶋津・福井
Tel: 03-6387-7000 / Fax: 03-6387-0333 / Mail: press.relations@bcg.com

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日本では、1966年に世界第2の拠点として東京に、2003年に名古屋、2020年には大阪、京都にオフィスを設立しました。

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