CDP REPORT

BCG、CDPとパートナーシップを締結しCO2排出量のリファレンス・プラットフォームを共同開発

AI活用でスコープ3のデータ共有を可能にし、エコシステムの脱炭素化を加速

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【参考資料】

(本資料は2022年2月10日にフランスで発表されたプレスリリースの抄訳です)

パリ発、2022年2月10日 ―― 経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)は、環境情報開示システムを運営する国際非営利団体CDPとパートナーシップを締結したことをお知らせします。BCGではCO2 AI by BCGを通じて、人工知能(AI)を活用し、企業の二酸化炭素(CO2)排出量を正確に定量化するソリューションを提供しています。このCO2 AI by BCGとCDPは共同で、製品ごとのサステナビリティデータを企業間で共有できるプラットフォーム「CO2 AI Product Ecosystem」の開発をめざします。

2050年ネットゼロ達成に向け、企業単位での取り組みから脱却を

2050年のネットゼロに向けて、2030年までに世界全体の排出量を半減させなければなりません。企業にとっては排出量の全容を把握することが急務であり、そうすることで効果的な排出量管理も可能になります。しかし、スコープ3排出量(取引先や自社製品・サービス利用に伴う排出量)の全容把握は企業単独で達成できるものではありません。バリューチェーンをエンドツーエンドで追跡・測定し、カーボンフットプリントの削減に必要な製品ごとのデータを、エコシステム全体に提供することが求められます。

プラットフォームを利用し、エコシステム全体で排出量の情報共有が可能に

CO2 AI by BCGとCDPはパートナーシップを締結し、CO2排出量のリファレンス・プラットフォーム「CO2 AI Product Ecosystem」を共同開発します。このプラットフォームを通じ、製品ごとのサステナビリティデータを安全で、環境対策評価においても審査しやすい、行動志向の方法で共有することで、排出量最適化に向けた企業同士の協働を促進します。このプラットフォームの利点は、エコシステムに参加するすべての企業が透明性の高い方法でデータを共有することで、スコープ3排出量のより正確な把握が可能になることです。

「CO2 AI Product Ecosystem」は、情報を開示するすべての企業に無償で提供される予定です。AIを活用することで簡単で透明性の高い方法でのデータのやり取りを可能とし、参画する企業が包括的に主要なサステナビリティデータを測定・共有することをご支援します。

CDPが提供する環境情報開示プログラム「サプライチェーンプログラム」は現在、企業ごとのサステナビリティデータの主要な参照先として利用されています。今回のパートナーシップは、重要な技術、インフラを提供することで、スコープ3の開示に関するCDPの既存の取り組みを補完し、製品ごとのデータへと拡充するものです。

環境問題への取り組みにはサプライヤーとの協働が重要

また、BCGとCDPは、サプライチェーンに関する2021年版共同レポート「Engaging the chain: driving speed and scale」を作成しました。本レポートでは、「気候変動」「森林破壊」「水の安全保障」といった環境問題について、自社のサプライヤーと協働して取り組んだと答えた企業はそれぞれ38%、47%、16%と半数以下にとどまることを示しています。企業は、サプライチェーン全体にわたって手段や行動を連鎖させ、取り組みを加速し、その範囲を拡大していくことで、環境危機を回避することが求められています。

BCGのCEO、クリストフ・シュヴァイツァーは「環境情報開示の基準を確立させたCDPとパートナーシップを締結できることを大変うれしく、誇りに思います。このプラットフォームは、気候変動との戦いを前進させる重要なカギとなるでしょう。私たちは、バリューチェーンの脱炭素化に向けて行動を起こす世界中の企業を共にご支援します」とコメントしています。

CDPのCEO、ポール・シンプソンは「環境問題、特に脱炭素化に取り組むうえで、バリューチェーン全体での協働は企業にとって非常に重要です。BCGとのパートナーシップを通して、取り組みへの洞察力をさらに深めることができ、ひいてはデジタルやデータ・アナリティクス、AIソリューションを活用して排出量管理に革命をもたらします」とコメントしています。

■ 日本における担当者

ロマン・ド・ロービエ(Romain de Laubier) マネージング・ディレクター & パートナー
BCG GAMMAのアジア・パシフィック地区リーダー、およびBCGジャパンのデジタル分野のリーダー。BCG産業財グループのグローバルリーダーシップチーム、およびコーポレートファイナンス&ストラテジーグループのコアメンバー。パリ第9大学経済学部卒業。HEC経営大学院修了。米国の投資銀行、BCGパリ・オフィスを経て、2019年1月よりBCG東京オフィス勤務。

平井 陽一朗 DVマネージング・ディレクター & パートナー
BCGデジタルベンチャーズ(DV)アジア・パシフィック地区およびジャパンヘッド。
サステナビリティ領域におけるデジタル活用に関するエキスパート。東京大学経済学部卒業。三菱商事株式会社を経てBCGに入社。その後、ウォルト・ディズニー・ジャパン、オリコンCOO(最高執行責任者)、ザッパラス社長兼CEO(最高経営責任者)を経てBCGに再入社。

■ CO2 AI by BCGについて

BCGが開発したCO2 AIは、企業がエンドツーエンドで組織をネットゼロへと導くことを可能にします。AIの活用により、あらゆる業界の企業が現在の排出量を定量化し、大規模に削減するための解決策を見つけることができるソリューションです。水使用量、廃棄物、大気汚染など企業のバリューチェーン全体における排出量を、網羅的に、正確に、かつ高頻度で定量化し、スコープ1、2、3の環境フットプリントを削減するために、透明性ある実行可能な方策をご提案します。

■ CDPについて

CDPは、企業、都市、州、地域を対象としたグローバルな環境情報開示システムを運営する非営利団体です。CDPは、2000年の発足以来、運用資産総額110兆ドル超となる590機関以上の投資家と協力しており、資本市場や調達行動を通じ、企業の環境への影響の開示、温室効果ガスの排出量削減、水資源や森林の保護を働きかけてきたパイオニアです。2021年には、世界の時価総額の64%以上に相当する13,000社以上の企業、1,100以上の都市、州、地域を含む世界の14,000以上の組織がCDPを通じてデータを開示しました。CDPはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に完全に準拠した世界最大の環境データベースを保有しており、CDPのスコアは、ゼロカーボンで持続可能、そしてレジリエントな経済に向けた投資や調達の意思決定に広く利用されています。CDPは、Science Based Targets initiative、We Mean Business Coalition、The Investor Agenda、Net Zero Asset Managers initiativeの創設メンバーです。詳細は cdp.net をご覧いただくか、@CDP をフォローしてください。

■ 本件に関するお問い合わせ
ボストン コンサルティング グループ マーケティング 直江・福井・天艸
Tel: 03-6387-7000 / Fax: 03-6387-0333 / Mail: press.relations@bcg.com

ボストン コンサルティング グループ(BCG)

BCGは、ビジネスや社会のリーダーとともに戦略課題の解決や成長機会の実現に取り組んでいます。BCGは1963年に戦略コンサルティングのパイオニアとして創設されました。今日私たちは、クライアントとの緊密な協働を通じてすべてのステークホルダーに利益をもたらすことをめざす変革アプローチにより、組織力の向上、持続的な競争優位性構築、社会への貢献を後押ししています。

BCGのグローバルで多様性に富むチームは、産業や経営トピックに関する深い専門知識と、現状を問い直し企業変革を促進するためのさまざまな洞察を基にクライアントを支援しています。最先端のマネジメントコンサルティング、テクノロジーとデザイン、デジタルベンチャーなどの機能によりソリューションを提供します。経営トップから現場に至るまで、BCGならではの協働を通じ、組織に大きなインパクトを生み出すとともにより良き社会をつくるお手伝いをしています。

日本では、1966年に世界第2の拠点として東京に、2003年に名古屋、2020年に大阪、京都、2022年には福岡にオフィスを設立しました。