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BCG、新興国発のサステナビリティに優れた超優良企業「クライメート・パイオニア」50社を発表

ESGスコアでは先進国企業に後れをとる 早期の取り組みは市場アクセスを強化

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【参考資料】

(本資料は、2023年3月14日に米国で発表されたプレスリリースの抄訳です)

ボストン発、2023年3月14日 ―― 経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)は、ESGスコアと財務指標の両面で高いパフォーマンスを発揮する新興国発の超優良企業「クライメート・パイオニア」を紹介するレポート「Global Challengers: The Sustainability Imperative in Emerging Markets」(以下、レポート)を発表しました。BCGが2006年以来、グローバルに活躍する急成長中の新興国発超優良企業を選出してきた「グローバル・チャレンジャー」シリーズの最新版となります。

サステナビリティへの早期の取り組みは、財務パフォーマンスを押し上げる可能性

BCGは、アジア、東欧、中東、中南米、アフリカに拠点を置く、売上高が7億5,000万ドル以上、かつ売上の10%以上または5億ドル以上を自国外市場から得ている企業より、「クライメート・パイオニア」50社を選出しました。2007年以来カーボンニュートラルを実現してきたブラジルの化粧品会社ナチュラや、2020年にカーボンニュートラルを達成したインドのIT企業インフォシスなどが選ばれています。

レポートでは、新興国企業のESGスコアと、財務および価値創造の指標に相関関係がみられることから、サステナビリティに率先して取り組むことは財務パフォーマンスを押し上げる可能性があると分析しています。クライメート・パイオニアのうち、特に産業財、消費財セクターの企業は、収益の伸びにおいてS&P500構成企業を大きく上回りました。また、クライメート・パイオニア50社の2017年~2022年の株主リターンの総計(注1)は同期間全体でS&P500種株価指数を約35%ポイント、MSCI新興国株価指数を105%ポイント上回っています。

新興国企業はESGスコアで後れをとるが、気候変動の緩和において大きな役割を果たす

レポートでは、現状さまざまな機関のESGランキングにおいて、新興国企業は先進国企業に対し、ESGの各項目で後れをとっていることを指摘しています。しかし新興国経済は世界のGDP成長を支えつつ、気候変動の緩和を目指すうえで大きな役割を果たす存在です。世界のGDPに占める新興国経済の割合は、現在の50%から、2050年には62%に増加すると予想されています。一方、新興国では1人当たりのCO2排出量は先進国よりはるかに少ないものの、新興国全体の排出量は世界の85%を占めています。地球温暖化により引き起こされる自然災害の影響を最も大きく受けるのは中低所得国であり、工場の閉鎖、人材の流出、就学率の低下などによる生産性の低下や、サプライチェーンや輸送の途絶による収入の減少につながっています。S&Pグローバル・レーティングによると、気候変動が現在のペースで進んだ場合、新興国への影響はさらに深刻化し、例えば南アジアでは一人当たりのGDPを15%失う可能性があります。

レポートの共著者であり、BCGイスタンブール・オフィス代表、マネージング・ディレクター&シニア・パートナーのBurak Tansanは、次のようにコメントしています。「今回の調査では、ブラジルから中国、トルコまで、あらゆる産業の新興国企業が、国内外の消費者や従業員、貿易相手、投資家、規制当局からの高まる圧力に対応していることがわかりました。圧力とは、サステナビリティへのコミットメントを根拠あるやり方で裏付けることを求めるものです。先駆けて行動する新興国企業は、顧客のサステナビリティに関する懸念に対応しながら、グローバル市場へのアクセスを強化し、資本コストを下げ、優秀な人材を獲得・維持できるようになり、すでに国内でも成功を収めています。行動を起こさない企業は競争力を失うリスクがあり、その格差は急速に拡大すると考えています」

(注1)一定期間における「キャピタルゲイン(株価の値上がり益)」と「インカムゲイン(配当等のキャッシュフロー)」の総和であり、株主にとっての最終的なリターン。

■ 調査レポート

Global Challengers: The Sustainability Imperative in Emerging Markets

■ BCGグローバル・チャレンジャー「クライメート・パイオニア」企業の選定方法

信頼性の高い国際的な財務・ESGデータベース、アナリストレポート等に基づき、最終的な選定を以下の基準に沿って行いました。選定にあたり、産業や経営トピックに関するBCGの世界中の専門家からフィードバックを受けています。

  • アジア、東欧、中東、中南米、アフリカに拠点を置く企業
  • 売上高が7億5,000万ドル以上、かつ売上の10%以上または5億ドル以上が自国外市場からもたらされている企業
  • 5年間(2016年~2021年)の収益成長率が、該当する業界の平均成長率、または自国のGDP成長率と同等以上である企業
  • 直近の年度報告の分析で、利益率がプラスだった企業
  • リフィニティブ、CSRHub、CDPのいずれかのデータベースでESGのスコアリング、またはグレーディングを取得し、環境面のサステナビリティとESG項目全般において平均以上のパフォーマンスを持っていると認められる企業

■ 日本における担当者

スイーニー・マット マネージング・ディレクター & パートナー
BCGグローバル戦略化グループの日本リーダー。BCG保険グループ、金融グループ、プリンシパル・インベスター&プライベート・エクイティグループのコアメンバー。
ブリガムヤング大学卒業。イェール大学経営学修士(MBA)。2006年にBCGに入社。野村證券、シンガポールのスタンダードチャタード銀行、ベイン・アンド・カンパニーのヨハネスバーグ、および東京オフィスを経て2018年にBCGに再入社。

丹羽 恵久 マネージング・ディレクター & パートナー
BCG気候変動・サステナビリティグループ、パブリックセクターグループの日本リーダー。BCGハイテク・メディア・通信グループ、社会貢献グループ、および組織・人材グループのコアメンバー。
慶應義塾大学経済学部卒業。国際協力銀行、欧州系コンサルティングファームを経て現在に至る。

■ 本件に関するお問い合わせ

ボストン コンサルティング グループ マーケティング 小川・福井・天艸
Tel: 03-6387-7000 / Fax: 03-6387-0333 / Mail: press.relations@bcg.com

ボストン コンサルティング グループ(BCG)

BCGは、ビジネスや社会のリーダーとともに戦略課題の解決や成長機会の実現に取り組んでいます。BCGは1963年に戦略コンサルティングのパイオニアとして創設されました。今日私たちは、クライアントとの緊密な協働を通じてすべてのステークホルダーに利益をもたらすことをめざす変革アプローチにより、組織力の向上、持続的な競争優位性構築、社会への貢献を後押ししています。

BCGのグローバルで多様性に富むチームは、産業や経営トピックに関する深い専門知識と、現状を問い直し企業変革を促進するためのさまざまな洞察を基にクライアントを支援しています。最先端のマネジメントコンサルティング、テクノロジーとデザイン、デジタルベンチャーなどの機能によりソリューションを提供します。経営トップから現場に至るまで、BCGならではの協働を通じ、組織に大きなインパクトを生み出すとともにより良き社会をつくるお手伝いをしています。

日本では、1966年に世界第2の拠点として東京に、2003年に名古屋、2020年に大阪、京都、2022年には福岡にオフィスを設立しました。