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環境負荷の少ない商品を選ぶ理由の第1位は、気象変化の実感~BCG調査

消費者の7割が「環境負荷の少ない商品を買いたい」と回答

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経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)は、日本全国の15歳から69歳までの消費者を対象に実施した「サステナブルな社会の実現に関する消費者意識調査」の最新の調査結果を公表しました。本調査は、環境問題をはじめとしたサステナブルな社会の実現に関する消費者意識の変化を定点的に、かつ長期的に観測することを目的として2021年2月に開始し、今回が7回目の実施となります。

実際に行動に移している消費者は3割 異常気象が行動変容を促す

「環境に負荷をかけない商品を買いたい」と回答した消費者は全体の68%、そのうち、すでに「環境負荷の少ない商品を選んでいる」と回答したのは32%でした。この層に理由を聞いたところ、「最近の暑さ/寒さなど、気象の変化を感じるから」と回答した消費者が49%と最も多く、昨今の異常気象を受け、気候変動の問題が自分の生活に影響を及ぼす実感が高まったことが、消費者の購買行動を変容させる要因と考えられます(図表1)。

環境負荷の低い買い物に対する意識は10代が最も高い

「環境に負荷をかけない商品を買いたい」、「環境負荷の少ない商品を選んでいる」と回答した割合を年代別で見ると、10代がそれぞれ74%、37%と最も高い結果になりました(図表2)。また、10代の情報収集手段については、「学校での接触」が31%に上り、他の年代の「職場・学校での接触」が10%に満たない中で特徴的な結果になりました。昨今の環境教育の充実化が10代を中心とするZ世代の高い環境意識醸成に寄与していると考えられ、この世代が成長することで、高い環境意識を持つ消費者のさらなる増加が見込まれます。

環境問題に対する認知や行動変容は2年前から緩やかに増加

「地球温暖化/気候変動問題を知って、行動を変えた」と回答した消費者は、調査を開始した2021年と比べて15%から19%と緩やかに増加し、環境問題に関心が高い消費者が着実に増えていることがわかります(図表3)。特に40代、50代は、2年間で約5%ポイント増加しており、昨今テレビ番組などでも環境問題に関する報道が増えるなか、テレビを主な情報収集手段とする40代以上の消費者の関心が高まっていることが考えられます(図表4)。

3割の消費者が、企業の環境への取り組みを職場選びの基準に

職場を選ぶ際に、企業の環境問題への取り組みをどの程度重視するかを質問したところ「重要な基準になりうる」「基準の1つになりうる」と回答した消費者は合わせて27%で、2021年と比較すると4%ポイント増加しています (図表5)。今後この層は、環境意識の高いZ世代が職に就くにつれて増えていくことが見込まれ、企業の環境への取り組みは人材獲得の側面からも重要性が高まることが考えられます。

■ 調査資料

サステナブルな社会の実現に関する消費者意識調査結果
環境問題をはじめとしたサステナブルな社会の実現に関する消費者意識の変化を定点的、かつ長期的に観測する調査。態度変容の兆しやフックとなる情報・事象の把握、購買行動変化の兆しをつかむことを目的とし、2021年2月から調査を実施。
過去の調査結果はこちらからご覧ください。

■ 調査概要

日本全国の15歳~69歳の男女を対象にインターネットで実施。人口動態に応じ、ウエイトバックして集計。第7回は2023年7月24日~26日に実施。n=3,300。

過去の調査

  • 第1回:2021年2月5日~7日 n=10,000 
  • 第2回:2021年4月13日~15日 n=3,000
  • 第3回:2021年7月9日~11日 n=3,000
  • 第4回:2021年12月6日~8日 n=3,000
  • 第5回:2022年4月27日~28日 日本/10カ国比較、各国n=1,000以上
  • 第6回:2023年1月13日~16日 n=3,300

■ 担当者

丹羽 恵久 マネージング・ディレクター & シニア・パートナー
BCGパブリックセクターグループ、気候変動・サステナビリティグループの日本リーダー。テクノロジー・メディア・通信グループ、社会貢献グループ、および組織・人材グループのコアメンバー。
慶應義塾大学経済学部卒業。国際協力銀行、欧州系コンサルティングファームを経て現在に至る。

伊原 彩乃 プロジェクトリーダー
BCGパブリックセクターグループ、社会貢献グループのコアメンバー。カーボンニュートラル・気候変動領域のエキスパート。
東京大学工学部卒業。BCGに入社後、コンサルティングや人材育成、マーケティングに従事。その後BCGに再入社。

■ 本件に関するお問い合わせ

ボストン コンサルティング グループ マーケティング 小川・小田切・福井
Tel: 03-6387-7000 / Fax: 03-6387-0333 / Mail: press.relations@bcg.com

ボストン コンサルティング グループ(BCG)

BCGは、ビジネスや社会のリーダーとともに戦略課題の解決や成長機会の実現に取り組んでいます。BCGは1963年に戦略コンサルティングのパイオニアとして創設されました。今日私たちは、クライアントとの緊密な協働を通じてすべてのステークホルダーに利益をもたらすことをめざす変革アプローチにより、組織力の向上、持続的な競争優位性構築、社会への貢献を後押ししています。

BCGのグローバルで多様性に富むチームは、産業や経営トピックに関する深い専門知識と、現状を問い直し企業変革を促進するためのさまざまな洞察を基にクライアントを支援しています。最先端のマネジメントコンサルティング、テクノロジーとデザイン、デジタルベンチャーなどの機能によりソリューションを提供します。経営トップから現場に至るまで、BCGならではの協働を通じ、組織に大きなインパクトを生み出すとともにより良き社会をつくるお手伝いをしています。

日本では、1966年に世界第2の拠点として東京に、2003年に名古屋、2020年に大阪、京都、2022年には福岡にオフィスを設立しました。