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日本の消費者の環境意識は他国に比べて低く、自分の行動が与える影響をいつも気にしている人の割合は調査対象国中最低の10%~BCG調査

消費者の行動変容に対する障害は「お金や手間がかかる」「何ができるかわからない」

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2022年6月30日 ―― 経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)は、日本全国の消費者を対象に実施した「サステナブルな社会の実現に関する消費者意識調査」の最新の調査結果を公表しました。本調査はサステナビリティに関する消費者意識の変化を長期的に観測することを目的として2021年2月に開始し、定期的に実施しています。その一環として、今回の調査では、世界各国で行われた調査を日本でも実施し意識の違いを分析しました。

日本の消費者の環境意識は調査対象の新興国(インド・ブラジル・中国)や欧米と比較して低い

今回の調査では、米国、英国、中国、インドなど世界各国で行われた調査を日本でも行い、日本と他国の消費者の気候変動問題に対する意識の違いを明らかにしました。日本の消費者は、さまざまな角度から見て環境意識が低いと言え、例えば、日常生活における自分の行動が気候変動に与える影響について「いつも気にしている」と答えた人は調査対象11カ国中最低の10%でした(図表1)。

日本の消費者は気候変動対策として消費を制限することに対しても消極的であり、「気候変動に与える影響を減らすために、自分の消費を制限することができる」と回答した人(完璧にできる、まあできると回答した人の合計)は、11カ国中最低の45%でした(他国はいずれも80%以上)。

また、周りの人が環境に配慮していなくても気にしない傾向が強く、「気候変動対策としての行動を全くしていない人やほんの少ししかしていない人たちに対して、あなたはどう思いますか」という質問に対し「多くの人にとって行動を変えることは難しいので、理解できる」と回答した人は76%と、中国の78%に次ぐ割合でした(図表2)。

さらに、気候変動対策を実施している人を評価する人も少なく「気候変動対策として個人ができることの多くを実践している人たちに対して、立派だと思う」と回答した人は、11カ国中最低の64%でした。

日本の消費者の行動変容に対する障害は「お金や手間がかかる」「何ができるかわからない」

日本の消費者が気候変動対策のために行動を変えることに対する障害は、「気候変動対策にはお金や手間がかかる」「何ができるかわからない」であることが分かりました(図表3)。

これらの回答から、日本の消費者は環境や気候変動に対する意識や理解が低いとみられ、これらをどうやって上げていくかが課題の1つです。調査チームでは、消費者に対する説明・啓蒙とともに、消費者が選択肢や選択基準を持てるようにすることも重要だと捉えています。環境ラベル(注1)やカーボンフットプリント(注2)など消費者の目に触れるコミュニケーション手段によって、消費者に選択基準となる環境情報を提示することも有効な打ち手の1つとなると考えています。

(注1)環境ラベル:環境負荷の度合いに応じて付けられるマークや、食品の栄養表示のように製品の環境負荷情報を表示したラベル
(注2)カーボンフットプリント:原材料の調達から生産、輸送、利用、廃棄までといった製品の二酸化炭素総排出量の表示

■ 調査資料

サステナブルな社会の実現に関する消費者意識調査結果
環境問題をはじめとしたサステナブルな社会の実現に関する消費者意識の変化を長期的に観測する調査。態度変容の兆しやフックとなる情報・事象の把握、購買行動変化の兆しをつかむことを目的とし、2021年2月から調査を実施。今回は、その一環として世界各国で行われた調査を日本でも実施し、意識の違いを分析した。

■ 調査概要

世界各国の16~69歳の男女を対象にインターネットで実施

  • 調査対象国: 日本、フランス、英国、ドイツ、ロシア、米国、カナダ、ブラジル、インド、中国、オーストラリア
  • 調査時期: 日本 2022年4月27日~4月28日 その他の国 2021年9月20日~9月30日
  • サンプルサイズ:各国1,000人以上

■ 担当者

丹羽 恵久 マネージング・ディレクター & パートナー
BCGパブリックセクターグループ、気候変動・サステナビリティグループの日本リーダー。BCGハイテク・メディア・通信グループ、社会貢献グループ、および組織・人材グループのコアメンバー。
慶應義塾大学経済学部卒業。国際協力銀行、欧州系コンサルティングファームを経て現在に至る。

伊原 彩乃 プロジェクトリーダー
BCGパブリックセクターグループ、気候変動・サステナビリティグループ、社会貢献グループのコアメンバー。カーボンニュートラル領域のエキスパート。
東京大学工学部卒業。BCGに入社後、コンサルティングや人材育成、マーケティングに従事。その後BCGに再入社。

■ 本件に関するお問い合わせ

ボストン コンサルティング グループ マーケティング 直江・福井・天艸
Tel: 03-6387-7000 / Fax: 03-6387-0333 / Mail: press.relations@bcg.com

ボストン コンサルティング グループ(BCG)

BCGは、ビジネスや社会のリーダーとともに戦略課題の解決や成長機会の実現に取り組んでいます。BCGは1963年に戦略コンサルティングのパイオニアとして創設されました。今日私たちは、クライアントとの緊密な協働を通じてすべてのステークホルダーに利益をもたらすことをめざす変革アプローチにより、組織力の向上、持続的な競争優位性構築、社会への貢献を後押ししています。

BCGのグローバルで多様性に富むチームは、産業や経営トピックに関する深い専門知識と、現状を問い直し企業変革を促進するためのさまざまな洞察を基にクライアントを支援しています。最先端のマネジメントコンサルティング、テクノロジーとデザイン、デジタルベンチャーなどの機能によりソリューションを提供します。経営トップから現場に至るまで、BCGならではの協働を通じ、組織に大きなインパクトを生み出すとともにより良き社会をつくるお手伝いをしています。

日本では、1966年に世界第2の拠点として東京に、2003年に名古屋、2020年に大阪、京都、2022年には福岡にオフィスを設立しました。